子ども向け「料理教室」と「食育スクール」の違い

私が運営する青空キッチン京都仁和寺校には、子どもの料理教室を探していたことをキッカケに通い始めてくれた子が沢山います。でも青空キッチンは「子どもの料理教室」とは看板を掲げておらず、あくまでも「食育スクール」と名乗っています。その理由は、単に調理技術を教える事だけを目的とした教室ではないからです。
食育スクールである青空キッチンのレッスンでは、3歳さんも調理台に立ちますし、子どもたち自身が調理をしながら進めていくので、料理教室のように包丁の使い方や火を扱う際の注意点など、安全に調理するために必要な事は当然しっかりと伝えます。
それに、月に2~3回の習い事として継続して通うスクールなので、調理技術は自然と身に付いて、1年通ったお子さんは、幼児さんであっても、自宅でお手伝いの際に安心して見ていられるレベルにはなります。数年通った子であれば、休日のランチを自分で作ったりできるレベルにまで成長します。

でも、青空キッチンが食育スクールとして一番大事にしていることは、そのように料理が上手になる事ではありません。食の大切さ、食の楽しさ、栄養バランス、食に関わる人への感謝の心、というまさに食育の内容を子ども達が理解していくことだったり、グループレッスンを通して「友達へのおもいやり」という心を育むことだったり、レッスンとドリルを通じて「自分の言葉で表現する力」を育てることだったり、子ども達が大人になった時に必要になるであろう力を伸ばすことなんです。
なので「将来は料理人になりたい」という本格的な目標で料理教室を探している子にはあえてお勧めしません。勿論、料理教室を探していたことをキッカケに来てくれている子の中には、お料理自体が好きな子もいます。でも、ほとんどの子は「お料理をすることで好き嫌いを直したくて」とか「お料理をすることで食に興味を持って欲しくて」などの理由で通ってくれています。なかには「小学校受験のために幼児教室として」とか「運動系以外の習い事で将来の役にも立ちそうだから」なんて理由の子もいたりします。
楽しく料理をしながら、子どもの食べる力を育て、将来生きていくための力を伸ばす。青空キッチンはそんな食育スクールなんです。